家庭内における高齢者の事故について

内閣府では2016年5月20付けで新版(2016年版)の「高齢社会白書」を公開しました。今回はその中の、「高齢者の事故と住宅の関係」に焦点を当てて各種状況を確認をして行きます。

現在、高齢者による事故は、その7割強ほどが住宅内との結果が出ております。
高齢者は体力などの問題から外出をひかえるようになるのも原因の一つですが、若年層と比べると6%ほどの違いがあります。

図1.

最も事故発生事例が多い家庭内(住宅=自宅)。その家庭内における事故の「発生場所」「事故時のきっかけ」を記したのが次のグラフになります。
若年層は台所での調理、高齢者は居室や階段などで歩行していた時の転倒・転落事故が多いのが目に留まります。

 

図2.

 


図3.
発生場所では階段のリスクの高さはそれほど大きな違いはありませんが、若年層は台所での事故が断トツで多く、次いで居室となっています。若年層は本格的な自炊をする機会が多い表れでもあります。高齢者はトップが居室、ついで階段、そしてようやく台所となります。若者にとっては何気ない移動にも難儀を覚え、トラブルの原因となるようすがうかがえます。
その状況を明確化できるのが「事故時のきっかけ」です。

高齢層では階段の昇降時と思われる転落によるものが約3割とトップ(廊下や居間では「転落」は不可能)。そしてごく普通の歩行時における転倒が2割強で続き、若年層ではトップの調理時における行動「刺す・切る」「さわる・接触する」を抜いております。単なる移動ですら、高齢者、特に虚弱化した人には言葉通り「高いハードル」であり、事故に結びつきやすいことが分かりますね。

他にも回答を良く見てみると、「トイレ」「廊下」「玄関」のような、若年層から見れば事故の要因があまり想定できないような場所>で、若年層の値を超えた高齢者の事故が確認できます。今件は高齢者住宅のリフォームなどによる配慮が必要なことに加え、(若年層にとっての)常識が通用しなくなることを十分理解した上で、高齢者には対応すべきであることを再確認させてくれる結果でもあります。

さらに、高齢者の事故は家庭内で発生したものでも、重篤化リスクは高くなります。同じような事故でも、若者にはほんのちょっとした打撲に過ぎませんが、高齢者には骨折などの大怪我に至る場合もあります。家庭内事故では、中等症(3週間未満の入院を必要とするケガや病気)の事例が若年層の2倍近い割合で発生しているようです。

運動能力や反射神経だけでなく、身体そのものが弱っている以上、過負荷にもろさを覚えるのは仕方がありません。本人自身が注意するのはもちろん、周辺の人も十分に配慮を払わなくてはなりません。

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