高齢になると、「食べたい」「料理したい」といった意欲が低下することがあります。消化吸収能力の低下や買い物・調理の負担により、結果として低栄養に陥るケースも少なくありません。厚生労働省の資料(※)によれば、低栄養の目安として、3〜6か月で体重が5%以上減少する場合や、BMIが18.5未満(または18.5〜20未満)、さらに血清アルブミン値が3.5 g/dL以下になる場合が挙げられています。これらは、栄養状態や筋力維持、免疫力の指標として活用されます。

では、日常でどのように栄養を確保すればよいでしょうか。
まず主食をきちんと摂ること(ご飯・パン・麺類など)、次にお肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質を十分に摂ることが基本です。目安としては、片手のひらに乗るくらいの量を意識すると取り入れやすくなります。また、乳製品やプリン・アイス・和菓子などの栄養価が高い食品も適宜取り入れることで、楽しく無理なくエネルギー補給ができます。間食も、低栄養防止のためには有効です
さらに水分補給も重要です。高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、定時にお茶や水分多めの料理を摂ることが脱水予防につながります。
食の楽しみは栄養だけでなく、心の健康にも関係します。「何を食べるか考える」「買い物に出かける」「誰と食べるか想像する」といった日常の小さな行動が、生活の活力や食欲を支えます。高齢者の栄養管理では、厚生労働省の指標を目安に体重やBMI、血清アルブミン値を意識しつつ、日々の食事を楽しむことが健康維持につながるといえます。食べる喜びを支えながら、安心して暮らせる環境を整えることが、生活の質向上に直結します。
サービス付き高齢者向け住宅では、このような楽しみを取り入れながら、栄養不足を防ぐ工夫が随所に施されています。また、食事の準備や買い物の負担も軽減され、安心して生活の質を維持できる環境が整っています。ご興味がございましたら、「ハーウィルシニアレジデンス」へお気軽にお問い合わせください。
※引用元:厚生労働省 介護予防マニュアル(改訂版)資料「低栄養状態の指標について」